Genelec G Oneレビュー|コンパクトで高音質、使いこなす楽しさがあるスピーカー

※当サイトはアフィリエイト広告を利用している記事があります。

Genelec(ジェネレック) G Oneという、コンパクトで可愛らしいデザインのスピーカーを使い始めたのは4年以上も前のことでした。

G Oneは今でもすごく気に入っていて、ほぼ毎日使っているのですが、オーディオブログをやっているにも関わらず、なかなかレビューを書く気になれませんでした。

その理由は、自分の中で長い間Genelec G Oneの評価が定まらなかったからです。

それはどんなところが、というお話も含めてGenelec(ジェネレック) G Oneのレビューをします。

目次

Genelec G Oneはモニタースピーカーがルーツ

Genelec G Oneを含むGシリーズは、スタジオモニターとして定評のあるGenelecのスピーカーを、家庭でも使いやすいように一部仕様を変更して販売されているアクティブスピーカーです。

Genelec G Oneは、そのGシリーズの中でも最もコンパクトなモデルです。価格はペアでおよそ8万円前後と、比較的手頃な価格帯に位置します。オーディオショーでメーカーの方に伺ったところ、Gシリーズとモニターシリーズの音質には違いがないとのことでした。

そんな出自を持つスピーカーだからなのでしょうか、Genelec G Oneはとにかく上流次第で出てくる音がころころ変わります。DACの電源を変更したり、接続するケーブルを変えたり、機材やアクセサリーを変更すると、そんな音も出せるのね!と驚くぐらい変化を実感できるのです。

Genelec G Oneの評価が定まらなかった理由は、いつまで経っても「このスピーカーが本来の実力を発揮している」という自信が持てなかったことにありました。

最近になって、ようやくそろそろ評価をしても良いかな、という状態になってきた気がしているので、ようやくレビューを書いてみることにしたのでした。

Genelec G Oneの音質

上流機器によって音は変わるとはいえ、Genelec G Oneにはベースとなる音の特徴があります。まずはその点からお話しましょう。

自然でフラットな音

Genelec G Oneの音の傾向は、どちらかと言えば明るく、自然でフラットな音です。モニタースピーカーという言葉から想像しがちな、神経質で分析的な音とは少し異なりますし、最近のアクティブスピーカーに見られるような、低音が強調されるスピーカーとも異なります。

低音はタイトで膨らみすぎない

特に低音に関しては、タイトで過度に膨らむことがなく、制御しきれないような低音が鳴ることがありません。

我が家のような狭いマンションでは非常に扱いやすいスピーカーです。大きな音が出せない夜間に小音量で鳴らしても、破綻せず絶妙なバランスで再生してくれる点が気に入っています。

ただし、メーカーが別途サブウーファーを用意していることからもわかるように、低音がずんずん響くようなスピーカーではありませんので、低音を重視する方には合わない可能性が高いです。

高解像度だが、長時間聴いても聴き疲れしない

Genelec G Oneは長時間使用しても聴き疲れしない点も気に入っています。それでいて、細かい音もしっかり聞き取れるというバランスの良さが魅力です。モニタースピーカーがベースなので、細かい音の再現性は期待通りですが、聴き疲れしない点は意外なメリットでした。

ジャンルを選ばない

ちなみに、聴くのはロック、ジャズ、エレクトロニック、ラテンミュージックなど、さまざまなジャンルですが、どの音楽を聴いても「このジャンルには合わない」と感じたことはありません。(クラシックはほとんど聴かないので未評価) シンプルな音源でも複雑な音源でも、破綻することなく心地よい音で再生してくれます。

ただし、録音の悪い音源については色付けすることなくそのまま再生され、スピーカーがすべての音源を独自の色に染めてしまうということはありません。駄目な録音はダメなまま出てくるので、音源によっては聴く気になれないものが出てくるかもしれません。

まともな音になるまで苦労したGenelec G One

ここまで読んで頂くと、Genelec G Oneがなんだかかなり理想的なスピーカーな気がしてきますが、そう簡単な話ではありませんでした。

実は、最初に鳴らしたGenelec G Oneの音はひどいものでした。家族からは「そのスピーカーの音嫌いだから使うのやめて」なんて言われていたぐらいです。

とにかく抜けの悪いこもりがちな音しか鳴らないので、何を聴いても楽しくありません。低音もさっぱり鳴らず、「もしかしてこのスピーカーは壊れているのかしら?」と思ってしまったものでした。

既述の通り、上流(DACやストリーマーなど)の対策で、ひどい音は大きく改善したのですが、その話をしてしまうとGenelec G Oneレビューの趣旨から脱線してしまいますので、Genelec G Oneに関連することに限定した「音質が改善したこと」についてお話します。

お断りしておくと、内容についてはかなり「我が家の環境」に依存した話になりますので、どこまで参考になるのかは分かりません。すでに整った環境をお持ちだったり、音源がCDやレコード(我が家はストリーミングサービスのTIDALメイン)だったりすると、最初から良い方に全く別の感想になるはずです。

電源タップの変更で音質が向上

最初に音質の改善を実感したのは、電源タップの変更でした。

当初は20年近く前に購入した電源タップを利用していたのですが、これをFURMAN ( ファーマン ) のSS-6Bにしたところ、音のクリアさが1段改善したように感じました。

SS-6Bは今でこそ8,000円近くしますが、以前は3,000〜4,000円程度で売られていた格安ノイズ・フィルター付き電源タップです。

原因が電源タップの古さにあったのか、ノイズ・フィルターの有無にあるのかは分かりませんが、Genelec G Oneの音は電源の環境にかなり影響を受けるようです。(どのオーディオ機器も同じですが)

電源ケーブルの変更でGenelec G Oneの低音が改善

電源ケーブルの変更も音質改善に良い影響がありました。

Genelec G Oneに付属している電源ケーブルは、細いメガネ型のケーブルです。

このケーブルをオヤイデのd+Power Cable C7に変更したところ、低域から中域が太く、沈み込むようになりました。

付属のケーブルがダメだという話ではないのですが、やや分析的でフラットな音だったGenelec G Oneが、電源ケーブルの変更後は、躍動感のある「聴いていて楽しい音」に変わってきたのです。

オリジナルの電源ケーブルの方が好みという方もいらっしゃるかもしれませんが、すでにGenelec G Oneをお持ちで、低音に少し不満をお持ちの方はケーブルの変更を試されても良いと思います。

created by Rinker
オヤイデ
¥4,980 (2024/10/17 23:06:55時点 Amazon調べ-詳細)

L型テーブル・スタンドも導入

Genelec G Oneには、角度調整が可能なIso-Podスタンドが付属しています。デザインも可愛らしく、気に入っていたのですが、我が家の環境(サイドボードの上に設置)では振動を抑えきれないようで、音がぼやけて膨らんでしまう原因となっている気がしていました。

試しに、別売りの「L型テーブル・スタンド」を導入したところ、スッキリした抜けの良い音が出るようになりました。

ちなみに、Genelec G Oneには、環境にあわせてフラットな周波数特性が得られるよう調整できる機能が付いているのですが、この調整機能よりも、スタンドの導入の方が効果を実感できました。

プリアンプの利用で音楽が楽しくなる

Genelec G Oneは、当初以下のような構成で利用していました。

システム:ZEN Stream ⇒ RME ADI-2 DAC FS⇒ Genelec G One

RME ADI-2 DAC FSとGenelec Gシリーズは、セット販売されることもあるほど相性の良い機器です。確かに自然で誇張のない音が出てきますが、反面、やや面白みに欠けるというか、音楽的な楽しさを感じにくいときもありました。

ある時、試しにMacintoshのプリアンプC40を利用してみたところ、断然楽しい音が出るようになりました。

システム:ZEN Stream ⇒ RME ADI-2 DAC FS⇒ Macintosh C40 ⇒ Genelec G One

DACのボリュームを利用して聴くG oneも悪くはないのですが、もしも音に少し退屈さを感じる場合は、プリアンプ(あるいは上質なミキサー)の導入を検討しても良さそうです。

まとめ:Genelec G Oneは使いこなす楽しさがあるスピーカー

書いていると、段々とGenelec G Oneのレビューから脱線しそうになるので、一旦ここでまとめといたしましょう。

Genelec G Oneを評価するなら、

  • デザイン、サイズは最高!
  • 音質は、高解像度ながらも聴き疲れしない自然でフラットな音
  • 低音はそんなに出ない
  • 使いこなしが意外と難しい
  • オーディオ沼にハマる可能性のあるスピーカー

こんなところでしょうか。

一つ確かなことは、Genelec G Oneがどんな音源でも「聴いていて気持ちの良い音」鳴らしてくれるスピーカーではないということです。音源でも上流でも、駄目ものは駄目なままの音が出てくるので、満足のいく音の出る環境を整えるまで少し大変かもしれません。その見た目の良さから、今までオーディオへ興味を持っていなかった方からも注目されることのありそうなGenelec G Oneですが、この点にはご注意ください。

逆に、今まで散々オーディオを趣味として楽しんできた方が、機材をコンパクトにまとめるためだとか、超小型のサブシステムを構築したいだとかいう目的にも、Genelec G Oneは合いそうです。使いこなす楽しさのあるスピーカーだと思います。

なかなか視聴のできる環境の少ないスピーカーですが、購入された際には、好みの音が出ないからといって、すぐに見切りをつけることなく、ぜひ試行錯誤しながらGenelec G Oneの本領を発揮させてあげてください。

なんて最後に偉そうなことを書いてみましたが、僕の環境もまだまだ大いに改善の余地があるので、今まで取り組んできたことを含め、今後別記事でご紹介したいと思います。

▼Genelec G Oneの関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

オーディオ歴は20年以上ながらも低予算運用につき機材の入れ替え頻度は極端に低め。JBLの4312mk2を愛用しています。聴く音楽は広く浅く。洋楽メインです。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次